モリナガFASPEK特定原材料ウエスタンブロットキット Q&A
性能に関する質問
- Q1
- 通知ではどのような場合にウエスタンブロット法やPCR法による確認検査が必要ですか?
- A1
- 確認検査が必要な場合は
「特定原材料の表示が無く、スクリーニング検査(ELISA法)で検出されたにも関わらず、製造記録には使用したとの記載がない場合」です。
- Q2
- 確認検査ではウエスタンブロット法とPCR法の2種類がありますが、どうしてですか?
- A2
- 小麦、そば、落花生は通知においてより特異性が高いPCR法が指定されています。一方、卵では鶏肉、牛乳では牛肉とDNAが同一であり、原則的にPCRでの判別は不可能なため、ウエスタンブロット法が指定されています。
- Q3
- ウエスタンブロット法の検査時間はどの程度かかりますか?
- A3
- サンプル調製に12時間以上、ウエスタンブロット法の操作におよそ7時間を要します。
- Q4
- 使用されている抗体はモノクローナル、ポリクローナルどちらの抗体ですか?
- A4
- ポリクローナル抗体を使用しています。
- Q5
- 一つのキットで何回位検査できますか?
- A5
- 使用量にもよりますが、およそ5回検査可能です。
- Q6
- 旧ウエスタンブロットキットとの変更点は何ですか?
- A6
- キットの構成試薬、その他必要な器具・装置・試薬、操作方法が異なります。詳しくはこちらをご覧ください。
- Q7
- キットには毒物・劇物・PRTR法に定められている物質を使用していますか?
- A7
- 抽出用B液、各標準品に医薬用外毒物もしくは医薬用外劇物に該当する濃度の2-メルカプトエタノールを使用しています。
ご使用の際には法令に則ってくださいますよう、お願いします。
試薬・操作に関する質問
- Q8
- モリナガFASPEK特定原材料ウエスタンブロットキット抽出液は同キット別項目でも共通して使用できますか?
- A8
- 抽出液は全項目共通ですので、使用可能です。
- Q9
- 特定原材料抽出用試薬は購入しなくてはいけませんか?
- A9
- モリナガFASPEK特定原材料ウエスタンブロットキットには抽出試薬が含まれてますので、特定原材料抽出用試薬を別途購入する必要はありません。
- Q10
- モリナガFASPEK特定原材料ウエスタンブロットキット内で共通の試薬はありますか?
- A10
- 検体希釈液、抽出用A液、抽出用B液は共通です。
- Q11
- モリナガFASPEKエライザUシリーズやナノトラップ®URシリーズで使用した抽出液を使用できますか?
- A11
- 組成が異なるため、使用できません。お手数ですが、モリナガFASPEKエライザUやナノトラップ®URで検査した検体をモリナガFASPEK特定原材料ウエスタンブロットキットで検査する場合は、再度抽出工程から行ってください。
- Q12
- 取扱説明書に記載されている器具・装置・試薬を使用しなくてはいけませんか?
- A12
- 同等品であれば他のものも使用可能です。
- Q13
- 2日に分けてウエスタンブロット法を行うことは可能ですか?
- A13
- ブロッキング操作を4℃で一晩静置することで、2日に分けて検査することが可能です。
- Q14
- ブロッキング操作の目的は何ですか?
- A14
- 他の抗体やタンパク質が非特異的に吸着するのを防ぐために行います。
- Q15
- ウエスタンブロットキットの標準品開封後の保存方法について教えてください。
- A15
- 開封後は2〜8℃で保存し、1週間以内にご使用頂くことをお勧めします。
なお参考までに、当社で行いました実験では、標準品を初回開封時エッペンチューブ等の容器に小分け分注後、-40℃以下で保存、使用時に溶解し使い切るという条件で検討したところ、6ヶ月までの保存において、初回開封時とほぼ同じ結果が得られました。
ただし標準品の冷凍保存は、バリデーションを受けた方法ではありませんので冷凍保存した標準品を使用して得られた結果については、お客様の責任と判断のもとお取り扱いください。
- Q16
- 良好な検査結果を得るためのポイントを教えてください。
- A16
- 転写する際に気泡が入った部分は転写されないため、メンブレン、ゲル、ろ紙を重層する際には気泡が入らないように注意してください。
判定に関する質問
- Q17
- ウエスタンブロットでの結果の判定方法を教えてください。
- A17
- 通知に従うと卵の確認検査では卵白アルブミン及びオボムコイドの両キット、牛乳の確認検査ではカゼインとβ-ラクトグロブリンの両キットが記載されています。これら二つの標準物質のうち少なくとも一つと見かけの分子量がほぼ同じ位置に明瞭なバンドが肉眼観察で確認できた場合を陽性と判定します。バンドが確認できない、あるいは分子量が明らかに異なる位置にバンドが検出された場合は陰性とします。
なお、陽性対照として検査対象の標準品1μg/mLのバンドが検出されない場合、その検査は不適となりますので、再試験を行ってください。
- Q18
- 通知に従ってウエスタンブロット法を行った場合、10μg/g(10ppm)はどの濃度に相当しますか?
- A18
- 抽出時に20倍希釈されているので、標準品0.5μg/mLが10μg/gに相当します。
- Q19
- 目的タンパク質以外に標準品、検体共に高分子側にバンドが検出されますが、問題ありませんか?
- A19
- 検体希釈液に含まれる牛血清アルブミンが60kDa付近に確認される場合がありますが、問題ありません。