株式会社 森永生科学研究所
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採血手法、検体の調製・保管方法

こちらでは採血手法と検体の調製・保管方法を紹介します。

1. 採血手法

採血については近年、簡便化をはじめとして、ストレスによる影響や動物愛護の面などを考慮して様々な改良法が確立されてきています。麻酔の有無や採血できる血液量、実験動物のストレスなどは実験結果や継続性に大きく影響すると言われており、ある種の麻酔は耐糖能試験に対するグルコース/インスリン反応に著しい変化をもたらすことが知られています。下記に一般的な採血部位、採血方法を紹介します。

表1:一般的な採血部位(動物種別)

表1:一般的な採血部位(動物種別)
動物種 採血部位
ラット 外側足根静脈、外側尾静脈、舌下静脈など
マウス 外側足根静脈、外側尾静脈など
モルモット 外側足根静脈、耳介周囲静脈など
ウサギ 耳介周囲静脈、耳介中心動脈、頸静脈など
イヌ 外側足根静脈、橈側皮静脈、頸静脈など

表2:一般的な採血方法

表1:一般的な採血部位(動物種別)
採血部位 麻酔 反復採血 組織損傷度 手技難易度
外側足根静脈 不要
外側尾静脈 不要
橈側皮静脈 不要
耳介周囲静脈 局部
耳介中心動脈 局部
舌下静脈 全身
眼窩静脈叢 全身
心臓穿刺 全身 ×(全採血)
事前にその採血方法が実験目的に合致しているかを検討されることをおすすめします。

外側足根静脈からの反復採血方法

筒状の保定器やタオルを巻くなどして、動物を保定し後ろ脚を伸ばします。足根関節の上部を軽く圧迫すると静脈を浮き上がらせることができます。(その際、足根静脈は関節の外側にあります)剃毛後にアルコールなどで拭き、ラットやマウスの場合は25G程度の針を静脈に穿刺し採血します。この際に血滴を作りヘマトクリット管などで採血するとより簡便です。採血後は採血部分を軽く圧迫することで容易に止血ができます。また短時間であれば、瘡蓋を除去することで反復採血が可能です。

外側尾静脈からの反復採血方法

苦痛が少ない方法と言われラットやマウスの場合で比較的よく用いられる方法です。保定器に入れた後、尾を部分的にでも温めて血管を拡張させます。(なお動物自体を37℃程度で数分保温しても血管の拡張を行えます)シリンジに針を付けた状態か、メスで傷つけ切開部分が開くように尾を持ち、血滴を形成させた後ヘマトクリット管などを用いて採血します。なお外側足根静脈と比べて少量しか採血できないことが多いようです。

2. 検体の調製・保管方法

2-1. 血清の調製

採集した血液を25℃で30分インキュベートし、4℃にて約16時間放置して血餅を凝集させます。沈殿した血餅が舞い上がらないよう注意して、1,000〜1,200×g で20〜30分間4℃で遠心分離します。重力をかけ過ぎた遠心分離をすると、溶血の原因となります。沈殿した血餅に注意しながら静かに上清を新しいエッペンに移します。

2-2. 血漿の調製方法

最終濃度としてヘパリン 10μg/mL(1.2U/mL)、EDTA 0.1%、もしくはクエン酸 0.76%になるように採血して下さい。へパリンを塗布したヘマトクリット管を使い採血すると便利です。採血後、1,000〜1,200×g で20〜30分間4℃で遠心分離して上清を得ます。

2-3. 培養細胞からのインスリン抽出方法

培養した細胞を洗浄後、適当量の酸・エタノール溶液(7.5mLの約11Nの濃塩酸と370mLの95%エタノールの混合液)でホモジナイズし、速やかに遠心分離(10,000×g で5分間4℃)して下さい。インスリン測定キットの場合、得られた上清をそのまま検体希釈液1で希釈し、サンプルとします。この際、検体のpHが中性に戻っていることを確認して下さい。

目安ですが、およそ50倍以上の希釈で中性となりました。

2-4. 検体の保管

血液中には蛋白質分解酵素が含まれています。そこで採取した血清・血漿は出来るだけ速やかに測定して下さい。検体は数時間の保存であれば4℃で、それ以上の場合-20℃以下で冷凍(長期保存には-80℃)して下さい。
また、保存している検体はできるだけ凍結融解を避けられるように小分けに分注して保存することをおすすめします。

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